专利摘要:
2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12である、化学式YiLajAlkB16O48を有する非線形光学結晶が提供される。非線形光学結晶は、周波数変換を含む非線形光学用途に有用である。特定の実施形態中の非線形光学結晶は、UV遮断性材料(例えば、いくつかの遷移金属及びランタニド)の濃度が1000ppm未満であることを特徴とし、UVスペクトルの部分(例えば、175〜360nm)にわたって高い透過率をもたらす。
公开号:JP2011516393A
申请号:JP2011504029
申请日:2009-03-09
公开日:2011-05-26
发明作者:セオドア アレケル,
申请人:ディープ フォトニクス コーポレーション;
IPC主号:C01B35-12
专利说明:

[0001] [関連出願の相互参照]
[0001]本出願は、「非線形光学用の方法及び構造」と題する2008年4月11日出願の米国特許仮出願第61/044413号の米国特許法第119条(e)による利益を請求している、「非線形光学用の方法及び構造」と題する2008年6月16日出願の米国特許出願第12/140162号に対する優先権を請求しており、それらの開示内容は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている。]
[0002] [発明の背景]
[0002]本発明は概して、光学的性質を有するある種の化合物に関する。より具体的には、例として、本発明の実施形態は、紫外、可視及び赤外電磁放射線とともに使用するための、2.0≦i≦3.6、0.4≦j≦2.0、i及びjは合計して約4となり、kは約12であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択されるRiLajAlkB16O48を含む特定の化合物を提供する。より具体的には、別の実施形態は、紫外、可視及び赤外電磁放射線とともに使用するための、2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12であるYiLajAlkB16O48を含む化合物を提供する。単なる例として、この化合物は175〜360nmの波長を有する電磁放射線に有用であるが、本発明ははるかに広い適用範囲を有することが認識されよう。]
[0003] [0003]非線形光学(NLO)材料は、光の性質に影響するという点で珍しい。周知の例は、ある種の材料が入射光の偏光ベクトルを回転させる場合などの、材料による偏光である。入射光による偏光ベクトルへの効果が線形である場合、材料によって放射される光は入射光と同じ周波数を有する。NLO材料は、非線形に、入射光の偏光ベクトルに影響する。その結果、非線形光学材料によって放射される光の周波数が影響を受けるが、これは、周波数変換/変換材料とも表現される。]
[0004] [0004]例えば、レーザーなどによって作られた所与の周波数のコヒーレント光線が、2次分極率テンソルのゼロ以外の成分を有する適切に配向したNLO結晶を通って伝播する場合、この結晶は、異なる周波数の光を発生し、したがってレーザーの有用な周波数範囲を広げるであろう。この光の発生は、和周波発生(SFG)、差周波発生(DFG)及び光パラメトリック増幅(OPA)などの過程に帰することができる。NLO結晶を使用する装置には、それだけに限定されないが、周波数アップコンバータ及びダウンコンバータ、光パラメトリック発振器、光整流器並びに光スイッチが挙げられる。]
[0005] [0005]NLO材料中での周波数発生は、重要な効果である。例えば、周波数ω1及びω2の2つの単色電磁波が、適切に配向したNLO結晶を通って伝播すると、結果として種々の周波数の光を発生させうる。これらの2つの別々の周波数を使用した、光の周波数を規定する機構は、和周波発生(SFG)及び差周波発生(DFG)である。SFGは、2つの入射周波数の和として周波数ω3の光を発生させる、ω3=ω1+ω2という過程である。言い換えれば、SFGは、長波長光をより短波長光へと変換する(例えば、近赤外線から可視線、又は可視線から紫外線)のに有用である。和周波発生の特殊な場合は、第2高調波発生(SHG)であり、この場合、入射周波数が等しい、すなわちω1=ω2の場合に満足するω3=2ω1となる。DFGは、入射周波数の差として周波数ω4の光を発生させる、ω4=ω1−ω2という過程である。DFGは、より短波長光をより長波長光へと変換する(例えば、可視線から赤外線)のに有用である。DFGの特殊な場合は、ω1=ω2、したがってω4=0の場合であり、光整流として知られている。光パラメトリック発振(OPO)もまた、DFGの一形態であり、可変周波数の光を発生させるのに使用される。]
[0006] [0006]特定の用途用のNLO結晶の変換効率は、それだけに限定されないが、結晶の有効な非線形性(pm/V)、複屈折(Δn、ここでnは屈折率である)、位相整合条件(タイプI、タイプII、非臨界、擬似、又は臨界)、許容角(ラジアン−cm)、温度許容度(K−cm)、ウォークオフ(ラジアン)、屈折率の温度依存性変化(dn/dT)、光透過範囲(nm)、光損傷閾値(W/cm2)及び光寿命を含むいくつかの因子に依存する。望ましいNLO結晶は、特定の用途によって規定される上記性質の最適な組み合わせを備える。]
[0007] [0007]光学材料は、その広い透過性及び酸化物中の強固な結合のために、元素成分としてホウ素を一般に使用する。例としては、ガラス形成剤(ホウケイ酸ガラス)、粉末形状の蛍光体及びレーザー周波数変換材料としての使用が挙げられる。ホウ酸塩結晶は、レーザー法製造、医療、ハードウェア及び計装、通信並びに調査研究などの種々の用途に使用される。いくつかのホウ酸塩化合物は、商業用レーザーにおいて結晶として使用される:ベータホウ酸バリウム(BBO:β−BaB2O4)、三ホウ酸リチウム(LBO:LiB3O5)及びホウ酸セシウムリチウム(CLBO:CsLiB4O10)。これらの結晶は、特に紫外光を使用する用途においてNLO装置として幅広く使用されている、近年開発されたホウ酸塩系NLO結晶の例である。これらの結晶について、中間赤外線から紫外線までのレーザー光の発生に適する抜粋した性質を表1に列挙している。]
[0008] ]
[0009] [0008]BBOは、有利な非線形性(約2.2pm/V)、190nmと3500nmとの間の透過性、有意な複屈折(位相整合に必要である)及び優れた損傷閾値(5GW/cm2、1064nm、0.1nsパルス幅)を有する。しかし、その高い複屈折が、変換効率及びレーザー光線の質を制限する恐れのある比較的小さな角許容度を生み出す。この結晶は、やや吸湿性であり、変えられる光パワーの量が制限される。]
[0010] [0009]LBOは、可視電磁スペクトル全域にわたる光透過性を示し、紫外線まで十分に広がり(約160nmの吸収端)、高い損傷閾値(10GW/cm2、1064nm、0.1nsパルス幅)を有する。しかし、LBOは、遠紫外線を発生させる位相整合には、不十分な固有複屈折を有する。]
[0011] [0010]CLBOは、高い非線形性及び十分な複屈折の組み合わせのために、UV光を生み出すことができるように見える。この結晶は、比較的大規模に製造することもできる。しかし、この結晶は、非常に水分に敏感であり、常に空気から水を吸収するので、水和ストレス及び起こりうる結晶破壊を防ぐため、通常、環境の水分管理をするために極度の注意を払わなければならない。]
[0012] [0011]周波数変換には一般的に、高ピーク出力及び強く集束された入射光線の両方が有効であり、この両方は非線形光学材料中の入射及び出射光線の強度を増加させる。しかし、UV発生のためのこのような条件下でのNLO材料の寿命は、周波数変換されるUVレーザーシステムの有用性を制限する。先行技術の商業用DUV NLO装置は一般的に、BBO及びCLBO結晶から製造される。これらのNLO装置は、水分に対して本質的に弱いために、長期間の高出力UV光を持続することができない。水が材料の表面と相互作用し、そのバルク中に浸透し、高強度のレーザー光線の存在下で破壊を引き起こす。この故障モードを軽減するための以前の試みには、密封セルによる環境隔離、水の収着を減らす高い温度、乾燥気体のパージ、及びレーザー光線に対する結晶の位置を変える機械装置の使用が含まれていた。結局、遠紫外NLO過程のためにBBO及びCLBOの本質的な材料欠点を克服することは非常に困難である。]
[0013] [0012]BBO及びCLBOの吸湿性に関連した結果は、これらのNLO材料が高強度の放射を持続できる程度が制限されることである。高強度の入射光線により活性化エネルギーが供給されると、水の存在下で、研磨面上の表面損傷が素早く促進される。分解は、高強度のレーザー光線により推進されて、光線の通路に沿ってバルク装置の中に広がる。この現象が、周波数変換材料を通る入射レーザー放射線の量及び持続時間を制限する。その結果、変換効率は、最適よりはるかに低くとどまり、装置の作動寿命は著しく損なわれる。水を通さない新しいUV周波数変換材料がこの問題の真の解決策を代表するのは明らかである。]
[0014] [0013]従来のUVNLO結晶についてのこれらの懸念に対処するため、いくつかのより新しい材料が検討されてきたが、商業的妥当性はまだ認められていない:ホウ酸カリウムアルミニウム(K2Al2B2O7)、ホウ酸イットリウムランタンスカンジウム((Y,La)Sc3(BO3)4)及びホウ酸ストロンチウムベリリウム(Sr2Be2B2O7)などの化合物。研究の考察においてこれらの材料が明らかになり、水分の浸入に対する耐性を向上させたが、結晶成長の制約、不十分又は不適切な光学的性質、製造の困難性、レーザー損傷などの問題が、これら及び他の候補材料が周波数変換用の実用的な結晶となるのを妨げている。]
[0015] [0014]UVグレードのNLO周波数変換材料として考えられている別の材料は、YAl3(BO3)4である。この基礎となる処方は、1960年にBallmanにより提唱され、中で結晶を作るモリブデン酸カリウム溶媒が、結晶を成長させる主要な手段として存続してきた。したがって何年経ても、純粋な形のYABは商業的に製造されてこなかった。この従来の製造方法は、大量の不定比混入金属を含み、標準より劣る結晶品質を示す小さい結晶を生じる。その上、使用される溶媒は、紫外線における装置の作動を妨げるかなりの量の混入物をもち込む。Leonyuk&Leonyuk(1995)によるハンタイト型ホウ酸塩の研究の概要は、YAB製造法として引き続き存続しているフラックス系、及びそのファミリー構成員、すなわちモリブデン酸カリウムK2MoO4及びK2Mo3O10を説明している。遺憾ながら、これらの溶媒配合には、大規模な結晶成長にとって厳しい制限がある。それは、a)高いフラックス揮発性、b)少ない結晶収率、及びc)結晶構造の中へのMo原子の著しい包含である。この後者の問題が、350〜360nmと説明されている、光学使用のスペクトル限界の低下を明らかにした。]
[0016] [0015]また、その作動及び歴史的な調製方法が、可視線及び赤外線への使用を制限している。したがって、紫外線にまで光学的機能を可能にするこのファミリーの化合物のための技術を改良することが極めて望ましい。したがって、光学化合物のための改良した方法及び技術が当技術分野において必要とされている。]
[0017] [発明の概要]
[0016]本発明によると、概して光学的性質を有するある種の化合物に関する技術が提供される。より具体的には、例として、本発明の実施形態は、紫外、可視及び赤外電磁放射線とともに使用するための、2.0≦i≦3.6、0.4≦j≦2.0、i及びjは合計して約4となり、kは約12であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択されるRiLajAlkB16O48を含む特定の化合物を提供する。より具体的には、別の実施形態は、紫外、可視及び赤外電磁放射線とともに使用するための、2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12であるYiLajAlkB16O48を含む化合物を提供する。単なる例として、本化合物は175〜360nmの波長を有する電磁放射線に有用であるが、本発明はより広い範囲の適用性を有することが認識されよう。]
[0018] [0017]本発明の一実施形態によると、非線形光学用の化合物が提供される。この化合物には、R=Y、iは約3.04、jは約0.96、kは約12であるRiLajAlkB16O48を含む非線形光学用の材料が含まれる。この化合物の元素比率は、発明の範囲の組成2.0≦i≦3.6及び0.4≦j≦2.0から優先的に現れうる独特の安定化した相を表している。例として、R3LaAl12B16O48(0.25モル)は、R=Y及び/又はLu、iは3.00、jは1.00の独特の組成物を表す。]
[0019] [0018]本発明の別の実施形態によると、非線形光学用の化合物が提供される。この化合物には、iは約3.04、jは約0.96、kは約12であるYiLajAlkB16O48を含む非線形光学用の材料が含まれる。この化合物の元素比率は、発明の範囲の組成2.8≦i≦3.2及び0.8≦j≦1.2から優先的に現れうる独特の安定化した相を表している。例として、Y3LaAl12B16O48は、iは3、jは1、kは12の独特の組成物を表す。]
[0020] [0019]特定の実施形態によると、2.0≦i≦3.6、0.4≦j≦2.0、i及びjは合計して約4となり、kは約12であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択される一般式RiLajAlkB16O48を有する組成物が提供される。]
[0021] [0020]本発明の更に別の実施形態によると、非線形光学用の材料を含む175〜360nmの波長で使用するための非線形光学用の化合物には、好ましい波長の電磁放射線とともに使用するために、2.0≦i≦3.6、0.4≦j≦2.0、i及びjは合計して約4となり、kは約12であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択されるRiLajAlkB16O48が含まれる。]
[0022] [0021]本発明の更に別の実施形態によると、175〜360nmの波長で使用するための非線形光学用の化合物を作る方法には、複数の材料を用意するステップが含まれる。この複数の材料には、イットリウム含有化合物が含まれ、このイットリウム含有化合物は加熱すると少なくとも酸化イットリウムに分解することができる。更に、この方法は、少なくとも所定の比率に関する情報に基づいて、複数の材料を混合して混合物を形成するステップ、混合物中で結晶を形成する結晶化プロセスを開始するステップ、及び混合物から結晶を除去するステップを含み、この結晶はイットリウムを含んでいる。]
[0023] [0022]本発明の更に別の実施形態によると、175〜360nmの波長で使用するための非線形光学用の化合物を作る方法には、複数の材料を用意するステップが含まれる。この複数の材料には、ルテチウム含有化合物が含まれ、このルテチウム含有化合物は加熱すると少なくとも酸化ルテチウムに分解することができる。更に、この方法は、少なくとも所定の比率に関する情報に基づいて、複数の材料を混合して混合物を形成するステップ、混合物中で結晶を形成する結晶化プロセスを開始するステップ、及び混合物から結晶を除去するステップを含み、この結晶はルテチウムを含んでいる。]
[0024] [0023]本発明の更に別の実施形態によると、175〜360nmの波長で使用するための非線形光学用の化合物を作る方法には、複数の材料を用意するステップが含まれる。この複数の材料には、ランタン含有化合物が含まれ、このランタン含有化合物は加熱すると少なくとも酸化ランタンに分解することができる。更に、この方法は、少なくとも所定の比率に関する情報に基づいて、複数の材料を混合して混合物を形成するステップ、混合物中で結晶を形成する結晶化プロセスを開始するステップ、及び混合物から結晶を除去するステップを含み、この結晶はランタンを含んでいる。]
[0025] [0024]本発明の更に別の実施形態によると、175〜360nmの波長で使用するための非線形光学用の化合物を作る方法には、複数の材料を用意するステップが含まれる。この複数の材料には、アルミニウム含有化合物が含まれ、このアルミニウム含有化合物は加熱すると少なくとも酸化アルミニウムに分解することができる。更に、この方法は、少なくとも所定の比率に関する情報に基づいて、複数の材料を混合して混合物を形成するステップ、混合物中で結晶を形成する結晶化プロセスを開始するステップ、及び混合物から結晶を除去するステップを含み、この結晶はアルミニウムを含んでいる。]
[0026] [0025]本発明の更に別の実施形態によると、175〜360nmの波長で使用するための非線形光学用の化合物を作る方法には、複数の材料を用意するステップが含まれる。この複数の材料には、ホウ素含有化合物が含まれ、このホウ素含有化合物は加熱すると少なくとも酸化ホウ素に分解することができる。更に、この方法は、少なくとも所定の比率に関する情報に基づいて、複数の材料を混合して混合物を形成するステップ、混合物中で結晶を形成する結晶化プロセスを開始するステップ、及び混合物から結晶を除去するステップを含み、この結晶はホウ素を含んでいる。]
[0027] [0026]特定の実施形態では、RiLajAlkB16O48を含む一般式を有する組成物(化合物とも呼ばれる)が提供される。この特定の実施形態において、2.0≦i≦3.6、0.4≦j≦2.0、i及びjは合計して約4となり、kは約12であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択される。いくつかの非線形光学用途においては、この組成物は、約360nm以下の波長で有用である。この化合物は結晶相であってもよい。更に、この化合物は、1000ppm未満の濃度で1つ又は複数の含有UV遮断性不純物を含んでいてもよい。この1つ又は複数のUV遮断性不純物は、遷移金属元素又はY、La若しくはLu以外のランタニド元素を含んでもよい。]
[0028] [0027]特定の実施形態では、化合物は、1000ppm以上のUV遮断性不純物を含有しない。非線形光学素子としての化合物のいくつかの使用は、約360nm〜約175nmの波長範囲にある。非線形光学素子としての化合物の他の使用は、360nm未満の波長で光放射を発生させる装置(例えば、NLOシステム、光源又はレーザーシステム)にある。一実施形態において、化合物は、360nm未満での使用するための、空間群R32の三方晶系結晶族に関連する。この化合物は、約0.01mm3、約0.1mm3又は約1mm3より大きい体積を有してもよい。]
[0029] [0028]他の特定の実施形態では、2.0≦i≦3.6、0.4≦j≦2.0、i及びjは合計して約4となり、kは約12であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択される一般式RiLajAlkB16O48を有する組成物の単結晶を成長させる方法が提供される。この方法は、組成物の構成成分を酸化ランタン及び酸化ホウ素の混合物とともに1500K程度の温度に加熱するステップを含み、ここでランタン化合物とホウ素化合物のモル比は1:4〜1:6の範囲にあり、栄養分(nutrient)対溶媒の比は2:3〜1:3の範囲にあり、且つ生成メルト(the resultant melt)を冷却するステップを含み、それによって組成物が1つ又は複数の結晶としてメルトから沈殿する。この方法において、生成メルトの冷却は、1日につき1K未満の温度速度で行うことができる。]
[0030] [0029]更に他の特定の実施形態によると、360nm以下で使用するための非線形光学用の化合物を作る方法が提供される。この方法は、複数の材料(例えば、酸化ランタン又は酸化ホウ素)を用意するステップを含む。この複数の材料には、ランタン含有化合物が含まれ、このランタン含有化合物は加熱すると少なくとも酸化ランタンに分解することができる。この方法はまた、少なくとも所定の比率に関する情報に基づいて、複数の材料を混合して混合物を形成するステップ、混合物中でハンタイト結晶を形成する結晶化プロセスを開始するステップ(例えば、種結晶(crystallineseed)をメルト表面に挿入することにより)、及び混合物からハンタイト結晶を除去するステップを含む。このハンタイト結晶はランタンを含んでいる。例において、この結晶は、2.0≦i≦3.6、0.4≦j≦2.0、i及びjは合計して約4となり、kは約12であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択されるRiLajAlkB16O48を含む。]
[0031] [0030]この方法は、Y:Laを4:6〜4:16に及ぶ比で含む複数の材料を利用することができる。この方法は更に、炉の中に混合物を置くステップ又は混合物を第1の所定温度まで加熱するステップ及び混合物を第2の所定温度まで冷却するステップを含むことができる。]
[0032] [0031]さらなる実施形態によると、360nm以下で使用するための非線形光学用の化合物を作る方法が提供される。この方法には、複数の材料(例えば、酸化イットリウム又は酸化ホウ素)を用意するステップが含まれる。この複数の材料には、加熱すると少なくとも酸化イットリウムに分解することができるイットリウム含有化合物が含まれる。この方法はまた、少なくとも所定の比率に関する情報に基づいて、複数の材料を混合して混合物を形成するステップ、混合物中で結晶を形成する結晶化プロセスを開始するステップ(例えば、種結晶をメルト表面に挿入することにより)、及び混合物から結晶を除去するステップを含む。この結晶はイットリウムを含んでいる。この結晶は、2.0≦i≦3.6、0.4≦j≦2.0、i及びjは合計して約4となり、kは約12であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択される一般式RiLajAlkB16O48を有する組成物となりうる。]
[0033] [0032]この方法はまた、炉の中に混合物を置くステップ又は混合物を第1の所定温度まで加熱するステップ及び混合物を第2の所定温度まで冷却するステップを含むことができる。]
[0034] [0033]本発明を通して従来技術に対する多くの利点が得られる。例えば、本発明のいくつかの実施形態は、紫外スペクトルにおいてハンタイト型ホウ酸塩の光動作を妨げる混入物を排除する新しい調製法を提供する。更に、発明的化学製法を使用することにより、結晶の速い形成を可能にする調製法が開発された。このような方法は、従来の方法では今まで達成されなかった、本発明の大きな単結晶の製造を可能にする。また、従来の方法よりも、融解温度まで加熱する際の開始混合物の揮発性が低い調製法が開発された。]
[0035] [0034]本発明の種々のさらなる目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することでより十分に理解されよう。]
図面の簡単な説明

[0036] [0035]
本発明の実施形態による光学化合物の生成方法を説明する略式フローチャートである。 [0036]
本発明の実施形態による光学化合物の略式像である。 [0037]
本発明の実施形態による光学化合物の透過特性を示す略式図である。 [0038]
本発明の実施形態による光学化合物による周波数変換を示す略式図である。 [0039]
変換された266nm光についてのスペクトル像である。 [0040]
UVグレードのハンタイト、BBO及びCLBO結晶装置からの266nmで発生させた放射の典型的な長期間の挙動を示す図である。]
[0037] [特定の実施形態の詳細な説明]
[0041]本発明によると、概して光学的性質を有するある種の化合物に関する技術が提供される。より具体的には、例として、本発明の実施形態は、紫外、可視及び赤外電磁放射線とともに使用するための、2.0≦i≦3.6、0.4≦j≦2.0、i及びjは合計して約4となり、kは約12であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択されるRiLajAlkB16O48を含む特定の化合物を提供する。より具体的には、別の実施形態は、紫外、可視及び赤外電磁放射線とともに使用するための、2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12であるYiLajAlkB16O48を含む化合物を提供する。単なる例として、この化合物は175〜360nmの波長を有する電磁放射線に有用であるが、本発明はより広い範囲の適用性を有することが認識されよう。]
[0038] [0042]本発明のある種の実施形態によると、1つ又は複数の種類の第3族、第13族及び4f金属などを含む数種のホウ酸塩結晶を調製し、これらのホウ酸塩結晶に緑光レーザー(波長:532nm)で照射することにより、紫外調和(波長:266nm)の発生実験を行った。それにより、360nm未満の調和光を作り出すNLO材料を実験的に作る能力が示された。その結果として、Y、La及びAlを含むホウ酸塩結晶からの266nmの第2高調波の強い発生が発見され、360nm未満の紫外放射を伝達し発生させることができるホウ酸イットリウムランタンアルミニウムの形の新規NLO結晶が得られた。]
[0039] [0043]その本質的な非吸湿性のため、本明細書に記載の化合物は結晶保護の必要性を緩和することができる。典型よりも短い結晶長を維持するのに加えて、本発明の実施形態により提供される好ましい材料は、レーザー装置の機械的設計の著しい単純化、すなわち、材料を囲む環境隔離チャンバーの省略又は一般的な要件の減少を可能にする。主としてその吸湿性のために、CLBO又はBBOを使用するUVレーザーにおいては、パージ又は密閉した環境チャンバーが一般的に必要である。対照的に、好ましい材料(主要化合物とも呼ばれる)は、水の存在に非感受性のままであり、それゆえ、水による光分解は明白に現れなかった。このように、主要化合物の非吸湿性は、レーザー装置の構成要素として作動寿命の延長を直接もたらす。本発明の実施形態により提供される主要化合物は、水分の取り込みがないことを示し、周囲条件下で長期間の光分解が認められない。比較として、先行技術の材料であるBBO及びCLBOは、水蒸気との反応性の結果として経時的に分解することで有名である。図5は、UVグレードの本明細書に記載のモル分率YiLajAlkB16O48、BBO及びCLBO結晶装置からの266nmで発生させた放射の典型的な長期間の挙動を示す。周囲の大気中の水分だけで、数分の作動で市販のUVNLO材料の分解を引き起こすのに十分である。この状況は、レーザーにおけるBBO及びCLBO周波数変換装置の使用にとって重大な結果であり、レーザー装置は作動寿命の減少を被り、周波数変換結晶の問題を処理するために、重大な設計上の複雑さ/妥協が必要となる。環境隔離の必要性がないことは、周波数変換レーザー装置の複雑性、費用及び必要とされるメンテナンスの極めて著しい減少という結果をもたらし、レーザー装置の設計及び作動の全体的な向上を意味する。] 図5
[0040] [0044]本発明の実施形態は、UVを阻止する混入物のない、主要化合物から作られるNLO装置の他の特徴から利益を得る。その特徴とはUVにおける光透過の機能的向上である。透過ロスの原因となる混入物は、NLO装置中で局在化した熱の発生及び熱的位相不整合を引き起こす。本発明のいくつかの実施形態による最初の努力は、NLO装置内へのスペクトル吸収性成分(例えば、遷移金属原子)の減少を目指しているが、位相不整合は、NLO装置を熱的に制御することによってある程度まで処理することができる。NLO装置の金属との直接結合は、結晶温度を調節する効率的な手段である。本発明の範囲に含まれる結晶の非吸湿性は、はんだ及び溶剤でNLO装置を直接金属に結合させるのを可能にし、それによって結合した結晶が水性溶媒又は非水性溶媒中で洗われるのを可能にする。]
[0041] [0045]本発明のある種の実施形態の目的は、2.0≦i≦3.6、0.4≦j≦2.0、i及びjは合計して約4となり、kは約12であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択されるRiLajAlkB16O48を満たし、UVスペクトルにおいて装置の使用を妨げる混入物を排除する又は著しく減少させる方法により製造される非線形光学材料を製造し、利用することである。2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12である化学式YiLajAlkB16O48を有する光学材料又は主要化合物を提供することが他の実施形態の目的である。特定の実施形態では、光学材料の特徴は、UV範囲(例えば、360nm未満)で光学材料の透過を減少させる混入物の存在の減少がないことにある。より具体的には、本発明のいくつかの実施形態は、360nm未満のUVで有用とするために、d−ブロック遷移金属及び/又は大半の4f−ブロック金属(例えば、ランタニド)などの金属が装置中に存在するのを実質的に排除する。]
[0042] [0046]本発明のいくつかの実施形態の目的は、有害なUV吸収なしに、上記組成を満たす非線形光学材料を作る方法を提供することである。一実施形態は、約5〜約20wt%のR源、約20〜約50wt%のLa、約7〜約25wt%のAl源及び約30〜約50wt%の酸化ホウ素を含む混合物を形成するステップを含む。RがYの場合、R源は一般的に酸化イットリウムであり、RがLuの場合、R源は一般的に酸化ルテチウムである。La源は一般的に酸化ランタンであり、Al源は一般的に酸化アルミニウムであり、B源は一般的に酸化ホウ素又はホウ酸である。混合物は、NLO材料を形成するのに十分な温度まで、十分な期間加熱される。例えば、加熱のステップは、少なくとも1000K、一般的には約1000Kよりも高い第1の温度まで混合物を加熱することを含む。次いで混合物は冷却される。冷却後、混合物は細かく砕かれ(乳鉢及び乳棒で細かく砕くなどして、微粉末に砕かれる)、次いで、少なくとも1300K、一般的には約1300Kより高い第2の温度まで加熱される。]
[0043] [0047]これらの結晶材料を形成する他の方法は、それだけに限定されないが、図1に示すような溶液引き上げ成長とすることができる。この方法は、以下の工程を含む。
1.適当な比率で高純度の酸化物粉末及び化学物質を計測し、混合する。
2.混合物をるつぼの中に入れ、炉の中に置く。
3.混合物を加熱し、溶けて液体になるようにする。
4.一定時間後、融解温度を凝固点の近くまでもっていく。
5.結晶化を始めるために、コールドフィンガー材料又は種結晶を導入する。
6.結晶成長を促進するため、融解温度及び装置条件を修正及び監視する。
7.適当なときに、系を室温まで下げる。
8.結晶を系から除去する。] 図1
[0044] [0048]上で説明した特定のステップは、本発明の実施形態による非線形結晶の特定の合成法を提供するということを認識すべきである。代替実施形態による他の連続したステップも行うことができる。例えば、本発明の代替実施形態は、上で概説したステップを異なる順序で行うことができる。その上、上で説明した個々のステップは、個々のステップに適した種々の配列で行うことができる複数のサブステップを含むことができる。更に、特定の用途に応じて、追加のステップを加える又は除くことができる。当業者は、多くの変形形態、修正形態及び代替形態を認識するだろう。]
[0045] [0049]例えば、Y3LaAl12B16O48の合成は、以下のように行うことができる。99.9%より高い純度の酸化イットリウム(Y2O3)、99.9%より高い純度の酸化ランタン(La2O3)、99.9%より高い純度の酸化アルミニウム(Al2O3)及び99.9%より高い純度の酸化ホウ素(B2O3)をAesar及びStanford Materialsなどの商業販売店から購入した。酸化イットリウム約13wt%、酸化ランタン約30wt%、酸化アルミニウム約17wt%及び酸化ホウ素約40wt%を含む混合物を形成した。これは上記手順のステップ1を表す。ステップ2〜8を行い、融剤として働く、るつぼ内に存するいくらかの残りの化学量論材料により主要化合物の配合の結晶を形成する。]
[0046] [0050]上で論じたように、本発明のある種の実施形態は、非線形光学(NLO)装置及び電気光学装置、並びに360nm未満でこのような装置を使用する性能に関する。本発明のいくつかの実施形態は、2.0≦i≦3.6、0.4≦j≦2.0、i及びjは合計して約4となり、kは約12であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択される一般式RiLajAlkB16O48を満たし、電磁スペクトルの紫外(UV)部分における使用を妨げる混入物なしに調製される非線形光学材料に関する。他の実施形態は、2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12である一般式YiLajAlkB16O48を満たす非線形光学材料に関する。これらの材料は、電磁スペクトルの紫外(UV)部分における使用を妨げる混入物の存在が所定の水準まで制限されるように調製することができる。]
[0047] [0051]UVを阻止する混入物は、結晶を作る過程のいたるところで、いくつかの原因によって持ち込まれうる。混入物の最も著しい原因は、出発原料である。極めて高純度の化学成分を利用することにより、実施形態は、UVを吸収する3d〜5d遷移金属(例えば、22〜32番元素、40〜52番元素及び72〜84番元素)及び大半のランタニド(例えば、58〜70番元素)を概して10ppm未満の濃度レベルまで減少させる。いくつかの実施形態では、これらの元素の濃度は、1000ppm未満のレベルである。他の濃度は、本明細書のいたるところに説明される。]
[0048] [0052]他の主要な混入成分は仕込みるつぼである。好ましくは、仕込みるつぼは、栄養分に関して不活性で、炉の最高温度に耐え、工程の温度範囲にわたって機械的に強い。仕込みるつぼは、一般的に白金族金属を使用して作られ、その酸化物及び酸素に関して不活性な性質のためにPt表面が最も好ましい。UVを吸収する混入物の存在を減少させるための他の配慮には、十分な熱健全性の高純度の炉材セラミックス、制御した雰囲気ガスの純度及び種結晶を確保する不活性手段の使用が含まれる。出発原料及び炉の中の混入物を制御することによって、UV遮断性混入物は、最初の材料の固有UV透過特性を損なわない水準に保たれる。]
[0049] [0053]本発明のいくつかの実施形態によると、該非線形光学材料は、360nm未満で作動するNLO装置として使用される。別の実施形態では、該非線形光学材料は、360nm未満の光学放射を発生させる装置用のレーザー源とともに使用される。更に別の例では、該非線形光学材料は、360nm未満の光学放射を発生させる装置用の光源とともに使用される。更に別の例では、該非線形光学材料は、360nm未満で使用するために三方晶系結晶族に形成される。更に別の例では、該非線形光学材料は、360nm未満で使用するために空間群R32に形成される。]
[0050] [0054]本発明のある種の実施形態の目的は、2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12であるYiLajAlkB16O48を満たし、UVスペクトルにおける装置の使用を妨げる混入物を排除する又は著しく減少させる方法により製造される、非線形光学材料を製造し、利用することである。より具体的には、本発明のいくつかの実施形態は、360nm未満のUVで有用とするために、遷移金属が装置中に存在するのを実質的に排除する。特定の実施形態では、選択したハンタイト型ホウ酸塩のUV透過は、3d〜5d遷移金属(例えば、22〜30番元素、40〜48番元素及び72〜80番元素)及び非化学量論ランタニド不純物(例えば、58〜70番元素)の包含を避けることによって伸びる。例えば、このような元素の包含は、10000、5000、2000、1000、500、250、100、50又は10ppm未満の濃度とすることができる。更に、最初の結晶組成物中に余分な金属がないことにより、175〜2500nmのような全透過範囲にわたって全体のバルクスペクトル吸収が減少する。本明細書に記載の実施形態により、固有透過特性を認識することができる。したがって、いくつかの実施形態では、組成物の光透過率は、250nmで0.9より大きい。この特定の値及び波長は本発明の実施形態を限定することを意図してはいないが、本明細書に記載の結晶の光学的性質の例として役立つ。他の実施形態では、光透過率は200nmで0.7より大きい、0.75より大きい、0.8より大きい、0.85より大きい又は0.9より大きい。更に他の実施形態では、光透過率は、250nmで0.8より大きい、0.85より大きい、0.9より大きい又は0.95より大きい。当業者は、多くの変形形態、修正形態及び代替形態を認識するだろう。]
[0051] [0055]上で論じたように、本発明のいくつかの実施形態の目的は、有害なUV吸収なしに、0.5≦i≦0.9、0.1≦j≦0.5、i及びjは合計して約1となり、kは約3であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択されるRiLajAlkB4O12を満たす非線形光学材料を作る方法を提供することである。いくつかの実施形態では、NLO材料は、2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12であるYiLajAlkB16O48を満たす。一実施形態は、約10〜約30モル%のR源(例えば、Y)、約10〜約40モル%のLa(例えば、酸化ランタン)、約10〜約25モル%のAl源(例えば、酸化アルミニウム)及び約25〜約50モル%の酸化ホウ素を含む混合物を形成することを含む。RがYである場合、Y源は一般的に酸化イットリウムであり、RがLuである場合、Lu源は一般的に酸化ルテチウムである。混合物は、NLO材料を形成するのに十分な温度まで、十分な期間加熱される。例えば、加熱のステップは、少なくとも1000K、一般的には約1000Kよりも高い第1の温度まで混合物を加熱することを含む。次いで混合物は冷却される。冷却後、混合物は細かく砕かれ(乳鉢及び乳棒で細かく砕くなどして、微粉末に砕かれる)、次いで、少なくとも1300K、一般的には約1300Kより高い第2の温度まで加熱される。]
[0052] [0056]上で論じたように、図1は、本発明の実施形態による光学化合物の簡略化した生成方法である。この図は例にすぎず、特許請求の範囲を限定すべきではない。当業者であれば、多くの変形形態、代替形態及び修正形態を認識されよう。方法100には、化学物質(例えば、一組の構成成分)を計測し、混合するための工程110、混合物をるつぼ及び炉へ移すための工程120、混合物を溶融するための工程130、結晶化のために炉の条件を最適化する工程140、種を導入し、結晶化を開始するための工程150、及び系を冷却し、結晶を抽出するための工程160が含まれる。上記は、選択された一連の工程を用いて示されているが、多くの代替形態、修正形態及び変形形態が存在しうる。例えば、工程のいくつかは、拡大及び/又は結合させることができる。上述の工程に他の工程を挿入することができる。実施形態に応じて、特定の工程順序を、代用する他の順序と入れ替えることができる。例えば、工程150は、自発的核形成を使用する、又はメルト表面にコールドフィンガーを導入する従来の光学結晶成長手順を使用するように修正される。これらの工程のさらなる詳細は、本明細書のいたるところ、及び更に具体的に以下に見られる。] 図1
[0053] [0057]工程110において、ある種の化学物質(すなわち、一組の構成成分)が計測され、混合される。例えば、高純度の酸化物粉末及び化学物質が適当な率(%)で計測され、混合される。工程120において、混合物は、るつぼ及び炉へ移される。例えば、混合物は、るつぼの中に入れられ、炉の中に置かれる。工程130において、混合物は溶融される。例えば、混合物は、加熱され、液体に溶融される。]
[0054] [0058]工程140において、結晶化のために炉の条件が最適化される。例えば、しばらくした後、融解温度が凝固点に近づけられる。工程150において、種が導入され、結晶化が開始される。例えば、結晶化を開始するために種結晶が導入される。別の例では、工程150は、結晶化を開始するためにコールドフィンガー材料を使用するよう修正される。更に別の例では、工程150は、結晶化を開始するために自発的核形成を使用するよう修正される。更に、結晶成長を促進するため、融解温度及び装置条件が修正及び監視される。工程160において、系は冷却され、結晶が抽出される。例えば、適当なときに、系は室温まで下げられる。結晶は系から除去され、検査又はさらなる処理の準備がなされる。]
[0055] [0059]方法100の例として、R=YであるR3LaAl12B16O48の合成を以下のように行う。]
[0056] [0060]工程110において、99.9%より高い純度の酸化イットリウム(Y2O3)、99.9%より高い純度の酸化ランタン(La2O3)、99.9%より高い純度の酸化アルミニウム(Al2O3)及び99.9%より高い純度の酸化ホウ素(B2O3)を得る。例えば、これらの化学物質は、Aesar及びStanford Materialsなどの供給業者から取得する。一組の構成成分としてY2O3約12wt%、La2O3約33wt%、Al2O3約16wt%及びB2O3約39wt%を含む混合物を形成する。特定の実施形態では、イットリウム源及びアルミニウム源を供給し、次いでランタン源及びホウ素源と混合する。一組の構成成分は、所定量の栄養分及び所定量の溶媒を特徴とする。ある種の実施形態において、ランタンとイットリウムのモル比は、1.5:1より大きい範囲にあり、所定量の栄養分と所定量の溶媒のモル比は1:1〜1:5の範囲にある。本発明の実施形態による組成物を形成するのに適した他の範囲も、本発明の範囲に含まれる。]
[0057] [0061]工程120において、混合物は、雰囲気環境の制御されたるつぼの中に入れられ、高温炉の中に置かれる。例えば、周囲の又は不活性な雰囲気のいずれかが適している。工程130において、混合物は12時間、室温から1450〜1575Kに及ぶ所定の温度まで加熱され、それにより、生成メルトが形成される。好ましい実施形態では、所定の温度は、約1500K、例えば、1450と1575Kとの間、1475と1550Kとの間、又は1475と1525Kとの間である。生成メルトは、所定の期間(例えば、約1〜3日)、所定の又は別の温度で均熱される。]
[0058] [0062]工程140において、液体混合物(すなわち、生成メルト)は、凝固点近い温度まで、20K/時間以下の速度で冷却される。例えば、この温度は約1500〜1400Kに及ぶ。混合物は、この温度に約8時間保たれる。他の実施形態では、混合物は、他の時間、例えば約8時間〜約72時間に及ぶ時間、この温度に保たれる。特定の実施形態では、この時間は48時間である。工程150において、自発的核形成により、又は種結晶若しくはコールドフィンガーをメルト表面に導入する従来の光学結晶成長手順を使用することにより、約1〜5K/日の速度で最終温度の1300Kまで冷却する間、生成物が形成し始める。したがって、本発明の実施形態では、1つ又は複数の非線形結晶が、生成メルトから沈殿として形成される。更に、成長の経過中、メルト温度及び装置条件は、オペレーター及び/又は自動化された炉の制御システムのいずれかにより、監視され、場合により結晶成長を促進するよう修正される。]
[0059] [0063]工程160において、系は次いで約50K/時間の冷却速度で室温まで冷却される。Y3LaAl12B16O48の1つ又は複数の無色の透明な結晶が得られ、炉から除去される。上記の実施形態では、結晶式はY3LaAl12B16O48であるが、本発明の範囲には、約2.96〜約3.08に及ぶモル分率のイットリウム及び約0.92〜約1.04に及ぶモル分率のランタンを含む他の化学式が含まれる。したがって、イットリウムのモル分率が3でランタンのモル分率が1である代表的な実施形態が例示目的で与えられるが、本発明の実施形態を限定することを意図していない。]
[0060] [0064]本発明のいくつかの実施形態の別の目的は、本明細書に記載の化合物の組成範囲内で安定化される特定の相の形成に関する。Y3LaAl12B16O48という一般的化学量論比は、限られた範囲の出発組成の下で一貫して形成される。4つの出発原料のうちの3つ(すなわち、酸化イットリウム、酸化ランタン及び酸化ホウ素)は、主要化合物の結晶形成のための栄養分となるのに加えて、溶媒として働くように化学量論的過剰に使用される。表2は、新しい結晶相をもたらすいくつかの出発原料組成を列挙している。表2に列挙されている出発原料についての値は、網羅的であることを意図していないが、所望の化学組成を有する結晶を形成するために使用することができる出発組成を説明することを意図している。それゆえ、他の出発原料組成が本発明の実施形態の範囲に含まれる。]
[0061] ]
[0062] [0065]表2に列挙されている金属酸化物の出発組成に加えて、他の出発組成も本発明の実施形態の範囲に含まれる。例えば、3:8:12:44、4:6:12:38、4:7:12:41、4:12:12:56、4:10:12:50の各比は、本組成発明を満たす結晶を製造するのに適した比率である。混合物の溶媒として働くホウ素及びランタンの過剰な出発濃度範囲のために、ホウ素とランタンのモル比は4:1〜10:1に及びうる。いくつかの実施形態では、構成成分は、所定量の栄養分、すなわち化学量論的結晶最終生成物に寄与する元素の出発原料源、及び所定量の溶媒、すなわち化学量論的結晶最終生成物に寄与しないが、まさに同一の栄養分出発原料の過剰量を構成しうる他の出発原料を特徴とする。所定量の溶媒と所定量の栄養分のモル比は、約1:1〜約1:5に及ぶ。特定の実施形態では、ランタンとイットリウムの比は1.5:1より大きく、例えば2:1又は3:1である。]
[0063] [0066]本発明の実施形態により与えられる結晶構造は、栄養分酸化物の非一致溶融に由来し、そのため、約1575Kの包晶分解温度より低く融解温度を下げるために、(1つ又は複数の)溶媒が必要とされる。この方法では、出発原料組成中の化学量論的過剰の酸化イットリウム、酸化ランタン及び酸化ホウ素は、単結晶成長中に形成される主要化合物のための溶媒として役立つ。表2に示すように、抽出した結晶の組成は、出発原料比率の例示した変化にかかわらず、元素分析によって決定した場合、名目上同じままである。したがって、結晶化材料は、単に固体−溶液連続体に沿った組成ではなく、熱力学的に安定化した新しい相を示す。したがって、出発原料が変化(例えば、Y:La:Al:Bの出発組成が4:8:12:44又は4:9:12:48のいずれかである)しても、結晶組成3:1:12:16を有する結晶化材料を生じるであろう。単結晶成長工程後にるつぼ中に残された残存材料は、結晶化されなかった主要材料のほかに溶媒和用の過剰な酸化イットリウム、酸化ランタン及び酸化ホウ素を表す。本発明者は、組成物の元素についてある範囲のモル分率が理論的に可能であるが、熱力学的に安定化した相をもたらす実際の範囲は限定されることを認めている。更に、光学用途(例えば、360nm未満のUV波長における)に適したNLO材料を提供するためには、安定相の結晶構造は、興味深い材料特性の1つに過ぎない。本発明の実施形態により提供されるNLO材料の相の安定性と同時に、結果として生じる、作動波長における位相整合に好ましい屈折率、作動波長における透過率、非中心対称の構造配列に由来する非線形駆動性などを含む他の材料特性も得られる。したがって、理論上の広い範囲は、非線形光学用途に有用な実際の結晶をまれにしかもたらさない理論上の範囲に過ぎない。]
[0064] [0067]本発明の実施形態は、結晶融解用の溶媒を提供するために所定量のランタンを供給するが、他の溶媒修飾剤も利用することができる。したがって、本明細書に記載の方法及び工程のいくつかは、K2MoO4及びK2Mo3O10又は他の溶媒が通常もたらす溶媒機能性を得るために、過剰のランタン及び/又はホウ素材料を利用する。溶媒として最終結晶組成中に存在する材料を使用することにより、UV吸収性元素の取り込みが減少又は排除され、スペクトルのUV範囲における高い透過特性が与えられる。更に、主要化合物の高温での結晶成長のために、UV透過率を妨げることが知られていない一般的な溶媒を使用することができる。例えば、メルトの酸性度に影響を及ぼし、それによって栄養分成分の混合物の溶媒和を修正するための第2の溶媒修飾剤として、ホウ酸リチウムを利用することができ、例えば、四ホウ酸リチウムは酸性溶媒融剤として働き、メタホウ酸リチウムは通例の塩基性溶媒融剤である。仕込み混合物の粘度は、一般的なアルカリ金属ハロゲン化物、例えば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム又はフッ化カリウムの添加によっても修正することができる。更に、融剤は、UV透過を妨げる成分を避け、結晶構造中への一般的な取り込みを防止するよう選択される。]
[0065] [0068]生成した主要化合物は、鉱物CaMg3C4O12、すなわちハンタイトと同構造であると決定された。ハンタイト型ホウ酸塩類似体のファミリーに加えて、ホウ酸イットリウムランタンアルミニウムは、空間群R32において三方晶系の菱面体クラスで形成される。表3はY3LaAl12B16O48の代表的な結晶学的データ及び他の物理的性質を列挙している。]
[0066] ]
[0067] [0069]本発明の実施形態によると、本明細書に記載のNLO材料は、UVスペクトルにおける装置の使用を妨げる混入物を排除する又は著しく減少させる方法により製造される。より具体的には、本発明のいくつかの実施形態は、3d〜5d遷移金属及びY、La及びLu以外の4fランタニドなどの元素が光学装置中に存在するのを実質的に排除する。これらの元素がないことにより、360nm未満のUV波長におけるレーザー、周波数変換器及び他の光学装置などの用途での装置の作動が可能になる。]
[0068] [0070]図2は、本発明の実施形態による光学化合物の略式像である。この図は、単なる例にすぎず、特許請求の範囲を過度に限定すべきではない。当業者であれば、多くの変形形態、代替形態及び修正形態を認識されよう。光学化合物には、上で論じた方法100により作られる、2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12であるYiLajAlkB16O48が含まれる。合成は、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ランタン(La2O3)、酸化アルミニウム(Al2O3)及び酸化ホウ素(B2O3)で始まり、全ての試薬は99.9%より高い純度を有する。図2に示すように、20×15×10mmの結晶は、十分に大きく、レーザー光修正装置として機能することが可能になる光透過性を有する。] 図2
[0069] [0071]図3は、本発明の実施形態による光学化合物についての透過特性を示す略式図である。この図は、単なる例にすぎず、特許請求の範囲を過度に限定すべきではない。当業者であれば、多くの変形形態、代替形態及び修正形態を認識されよう。光学化合物には、上で論じた方法100により作られる、2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12であるYiLajAlkB16O48が含まれる。合成は、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ランタン(La2O3)、酸化アルミニウム(Al2O3)及び酸化ホウ素(B2O3)で始まる。図3に示すように、曲線300は、透過率(%)を波長の関数として示す。透過率(%)は、約360nm〜約175nmの吸収特性のために変わらない。図3に例示する透過特性は界面におけるフレネル損失の主因ではないということに留意すべきである。したがって、光学化合物を透過する出力の実際の率(%)は、実際には図3に示すデータにより説明されるよりも高い。本発明者等は、透過率(%)は、所与の波長において、75%超、80%超、85%超、90%超又は95%超になりうると考えている。] 図3
[0070] [0072]図4Aは、本発明の実施形態による光学化合物による周波数変換を示す略式図である。この図は、単なる例にすぎず、特許請求の範囲を過度に限定すべきではない。当業者であれば、多くの変形形態、代替形態及び修正形態を認識されよう。光学化合物には、上で論じた方法100により作られる、2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12であるYiLajAlkB16O48が含まれる。合成は、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ランタン(La2O3)、酸化アルミニウム(Al2O3)及び酸化ホウ素(B2O3)で始まる。例えば、光学化合物は、図2に示すような結晶である。実験中に例えば、約532nmの波長のレーザー光が、サイズ1mm3超のY3LaAl12B16O48結晶に伝えられた。呼応して、結晶は、紫外線に感受性のイメージング用シンチレーターカードによって受け取られる光線を出射した。図4Aに示すように、写真用フィルターで532nmまでブラインドしたカメラを使用して像を撮影した。] 図2 図4A
[0071] [0073]撮影される像のために、シンチレーターカードを使用して266nm放射線の存在を可視的に検出し、青色蛍光スポット像を観察した。そのため、紫外光はSHG過程を通してY3LaAl12B16O48結晶により発生し、イメージング用シンチレーターカードによって検出した。別の実証では、266nm光伝送に特異的なバンドパスミラーをY3LaAl12B16O48結晶とイメージング用シンチレーターカードとの間に配置した。図4Aと同様の紫外線により引き起こされる青色蛍光も観察され、図4Bは変換された266nm光についての出射スペクトル像である。そのため、266nmにおける遠紫外光がY3LaAl12B16O48結晶により発生した。] 図4A 図4B
[0072] [0074]上で論じ、更にここで強調するように、この方法は種々のタイプの光学化合物を作るのに使用することができる。本発明の一実施形態によると、175〜360nmの波長で使用するための非線形光学用化合物が方法100により作られる。この化合物には、Y3LaAl12B16O48を含む非線形光学用材料が含まれる。この化合物は、少なくとも1000ppmのUV遮断性不純物の含有がない。本発明の更に別の実施形態によると、175〜360nmの波長で使用するための非線形光学用化合物が方法100により作られる。この化合物には、2.0≦i≦3.6、0.4≦j≦2.0、i及びjは合計して約4となり、kは約12であり、RはY及びLuから成る元素の群から選択される、RiLajAlkB16O48を含む非線形光学用材料を含まれうる。この化合物にはまた、2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12であるYiLajAlkB16O48を含む非線形光学用材料が含まれうる。この化合物は、少なくとも1000ppmのUV遮断性不純物の含有がない。]
[0073] [0075]上で論じたように、ある種の実施形態によると、方法100により作られる種々のタイプの光学化合物の各々は、少なくとも1000ppmのUV遮断性不純物の含有がない。例えば、その化合物は、少なくとも500ppmのUV遮断性不純物の含有がない。別の例では、該化合物は、少なくとも100ppmのUV遮断性不純物の含有がない。更に別の例では、該化合物は、少なくとも10ppmのUV遮断性不純物の含有がない。更に別の例では、該化合物は、少なくとも1ppmのUV遮断性不純物の含有がない。更に別の例では、該化合物は、UV遮断性不純物の含有が実質的にない。本発明のいくつかの実施形態によると、方法100により作られる種々のタイプの光学化合物の各々は、該化合物が360nm以下で非線形光学用に使用されるのを妨げうる少なくとも1000ppmのいかなる不純物の含有もない。例えば、該化合物は、少なくとも500ppmのこのような不純物がない。別の例では、該化合物は、少なくとも100ppmのこのような不純物がない。更に別の例では、該化合物は、少なくとも10ppmのこのような不純物がない。更に別の例では、該化合物は、少なくとも1ppmのこのような不純物がない。更に別の例では、該化合物は、このような不純物が実質的にない。]
[0074] [0076]上で論じたように、ある種の実施形態によると、方法100により作られる種々のタイプの光学化合物の各々は、約0.01mm3より大きい体積を有する。別の実施形態では、NLO材料の体積は、約0.1mm3より大きくなりうる。用途に応じて、結晶体積は特定の用途に適した大きさ、例えば約1000cm3未満の体積に限定されうることが理解されよう。例えば、該化合物は、約0.1mm3又は約1mm3より大きい体積を有する。別の例では、該化合物は、約10mm3より大きい体積を有する。]
[0075] [0077]いくつかの実施形態によると、方法100により作られる種々のタイプの光学化合物は、360nm以下で非線形光学用に使用することができる。例えば、その使用は、約360nm〜175nmに及ぶ波長に関連する。更に別の例では、その使用は、360nm未満の光線を発生させる装置に関連する。更に別の例では、装置は、NLOシステム、レーザーシステムに関連する化合物及び/又は光源に関連する化合物を含む。]
[0076] [0078]ある種の実施形態によると、方法100は、360nm以下で使用するための非線形光学用化合物を作るために使用することができる。例えば、該化合物は、三方晶系結晶族に関連し、360nm未満の用途で使用することができる。別の例では、該化合物は、空間群R32に関連し、360nm未満の用途で使用することができる。]
[0077] [0079]本発明の更に別の実施形態によると、175〜360nmの波長で使用するための非線形光学用化合物を作る方法には、複数の材料を用意するステップが含まれる。複数の材料には、ランタン含有化合物が含まれ、このランタン含有化合物は加熱すると少なくとも酸化ランタンに分解することができる。更に、この方法は、少なくとも所定の比率に関する情報に基づいて、複数の材料を混合して混合物を形成するステップ、混合物中で結晶を形成する結晶化プロセスを開始するステップ及び混合物から結晶を除去するステップを含み、この結晶はランタンを含んでいる。例えば、複数の材料には酸化ランタンが含まれる。別の例では、複数の材料には酸化ホウ素が更に含まれる。更に別の例では、この方法は、混合物を炉の中に置くステップを更に含む。更に別の例では、この方法は、混合物を第1の所定温度まで加熱し、混合物を第2の所定温度まで冷却するステップを更に含む。更に別の例では、結晶化プロセスの開始は、種結晶をメルト表面に挿入するステップを含む。更に別の例では、結晶には2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12であるYiLajAlkB16O48が含まれる。更に別の例では、この方法は、方法100に従って実施される。]
[0078] [0080]本発明の更に別の実施形態によると、175〜360nmの波長で使用するための非線形光学用化合物を作る方法には、複数の材料を用意するステップが含まれる。複数の材料には、イットリウム含有化合物が含まれ、このイットリウム含有化合物は加熱すると少なくとも酸化イットリウムに分解することができる。更に、この方法は、少なくとも所定の比率に関する情報に基づいて、複数の材料を混合して混合物を形成するステップ、混合物中で結晶を形成する結晶化プロセスを開始するステップ及び混合物から結晶を除去するステップが含まれ、この結晶はイットリウムを含んでいる。例えば、複数の材料には酸化イットリウムが含まれる。別の例では、複数の材料には酸化ホウ素が更に含まれる。更に別の例では、この方法は、混合物を炉の中に置くステップを更に含む。更に別の例では、この方法は、混合物を第1の所定温度まで加熱し、混合物を第2の所定温度まで冷却するステップを更に含む。更に別の例では、結晶化プロセスの開始は、種結晶をメルト表面に挿入するステップを含む。更に別の例では、結晶には2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12であるYiLajAlkB16O48が含まれる。更に別の例では、この方法は、方法100に従って実施される。]
[0079] [0081]本明細書に記載の例及び実施形態は、例示目的のためにすぎず、それを踏まえた種々の修正及び変更が当業者に提案されると見込まれ、それらが本出願の精神及び範囲並びに添付の特許請求の範囲に含まれるべきであることが理解されよう。]
权利要求:

請求項1
2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12である、YiLajAlkB16O48を含む一般式を有する組成物。
請求項2
2.96≦i≦3.08である、請求項1に記載の組成物。
請求項3
iが約3である、請求項2に記載の組成物。
請求項4
0.92≦j≦1.04である、請求項1に記載の組成物。
請求項5
jが約1である、請求項4に記載の組成物。
請求項6
前記組成物中の22〜30番元素、40〜48番元素及び72〜80番元素の濃度が1000ppm未満である、請求項1に記載の組成物。
請求項7
前記組成物中の58〜70番元素の濃度が1000ppm未満である、請求項1に記載の組成物。
請求項8
250nmにおいて0.7より大きい光透過率を特徴とする非線形結晶である、請求項1に記載の組成物。
請求項9
組成物の1つ又は複数の非線形結晶を成長させる方法であって、イットリウム源及びアルミニウム源を含む組成物の一組の構成成分を用意するステップと、前記組成物の一組の構成成分をランタン源及びホウ素源と混合して、成分混合物を形成するステップと、前記成分混合物を所定の温度まで加熱し、それにより生成メルトを形成するステップと、前記生成メルトを冷却するステップと、前記生成メルトから沈殿として前記組成物の前記1つ又は複数の非線形結晶を形成するステップと、を含み、前記1つ又は複数の非線形結晶は、2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12であるYiLajAlkB16O48を含む方法。
請求項10
前記一組の構成成分が所定量の栄養分及び所定量の溶媒を特徴とし、ランタンとイットリウムのモル比が1.5:1より大きい範囲にあり、前記所定量の栄養分と前記所定量の溶媒のモル比が1:1〜1:5の範囲にある、請求項9に記載の方法。
請求項11
前記生成メルトを所定の期間、前記所定の温度に維持するステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
請求項12
前記所定の温度が約1500Kである、請求項9に記載の方法。
請求項13
前記生成メルトを冷却するステップが、20K/時間未満の温度速度で行われる、請求項9に記載の方法。
請求項14
前記組成物の一組の構成成分が、イットリウム源及びアルミニウム源を含む、請求項9に記載の方法。
請求項15
イットリウム源が酸化イットリウムを含み、前記アルミニウム源が酸化アルミニウムを含む、請求項14に記載の方法。
請求項16
前記ランタン源が酸化ランタンを含み、前記ホウ素源が酸化ホウ素又はホウ酸の少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
請求項17
2.8≦i≦3.2、0.8≦j≦1.2、i及びjは合計して約4となり、kは約12である、化学式YiLajAlkB16O48を有する非線形光学結晶。
請求項18
空間群R32の三方晶系結晶族に関連する、請求項17に記載の非線形光学結晶。
請求項19
約1.0mm3より大きい体積を特徴とする、請求項17に記載の非線形光学結晶。
請求項20
22〜30番元素、40〜48番元素、58〜70番元素及び72〜80番元素の濃度が約1000ppm未満である、請求項17に記載の非線形光学結晶。
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